声が枯れるほど泣いた。涙はとうに枯れる果て、言葉を生み出すこともできなくなった、ただ呼吸する器官になったそこを、ただ咽を震わせて、とうとう哂うことしかできなくなったときに、すでに自分が狂っているのだと気づく。
さあ楽しい復讐の時間だ。大丈夫だよ安心して死なせはしないからそう簡単には細胞の1つ1つ丁寧に潰していくように爪は1枚1枚、髪の毛一筋すら大切に使ってあげよう苦痛というものは実は慣れるのも楽だからねせっかくだこの機会にいろいろ試してみようね大丈夫だよあの人を失ったオレの痛みに比べればこんなものたいしたものではないんだあれどうして泣くの泣けるの涙を流せるのオレはもう泣けないのに涙がでてこないのにあの人が甘いと舐めてくれたあの人がいとしいと云ってくれたそれをもうオレは死ぬまで流せないのに!ああごめんね怖くないからね感情を殺せないなんてオレもまだまだだねでもそんなオレをあの人は好きだといってくれたからこれでもいいのかなあねえどう思う?あれちょっと気を失ってもいいなんてオレは一言もいってないけどな五月蝿いなもうちょっと静かにしてくれない死にたい死にたいってそんなに謂うならあのときあの人に素直に殺されればよかったのにあの人はもう還ってこないんだよ遅いんだよなのにあの人は後を追うなと云ったからオレは死ぬこともできないんだ死んでからもオレの生死を支配するあの人はほんと憎たらしいと思わない?でもいいんだ愛しているからね愛しているから耐えられる嘘だよ本当は耐えられないあの人のいない世界なんてコンマゼロ秒だって生きてられない知っていた?だからここにいるのはただの死人なんだよ死んでるんだよああもういいお願い最後に残ったこの肉体も殺して心臓を止めて誰か誰か誰か雲雀さん!
あれもう死んじゃったの、ずるいなあオレが欲しくてたまらないものを簡単に手に入れてしまうんだねもういいや、獄寺くん、これ捨てておいてねあと血も奇麗に掃除しておいて、
いつになったら貴方に逢えるの
(ねえ雲雀さん!)