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(※あっというまに1晩過ぎました)







「じゃあ、祐平くん、真悟くん、帰り気をつけて。家族の皆さんによろしく伝えてください」

その日も真夏らしく、良い天気だった。騒々しい蝉の鳴き声がBGMのように絶え間なく聞こえる。
健二からの土産も持たされて、二人は玄関まで見送られる。
セットされた携帯電話の目覚ましにたたき起こされた真悟と祐平は、健二が用意してくれた朝食を食べて、すぐに帰りの仕度を終えた。元々持ってきた荷物は少なかったし、増えたものといえば土産だけだ。昨日来ていたTシャツは流石に汗でびしょぬれだった為に洗濯してもらって、代わりに佳主馬のタンクトップを借りた。真悟は黒、祐平は青。彼らの服は上田に帰るときに返すことになった。
「よろしくって言っても、すぐ上田来るんだろ。俺らの服忘れんなよ」
「いつ来んの?」
「今月末。万理子おばさんにはもう伝えてある」
「分かった」
「じゃあ、お邪魔しました」
「二人のお邪魔しましたー」
「わかってるんなら早く帰れ」
「…佳主馬くん」
しっしっと犬を追い払うような佳主馬の仕草に、子どもをしかるようにめっとする健二。
その光景にくくっと笑って、祐平と真悟は二人のアパートを出て行った。





「けっこう楽しかったな」
「うん。佳主馬兄の嫌がる顔見るの楽しいな」
「今度は恭平も連れてこようぜ」
「それ賛成!」





扉が閉まった次の瞬間には健二をその場で押し倒した佳主馬は、そんな会話がされていたことなど勿論知る由もなかった。